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【2019年覇権アニメ筆頭】『鬼滅の刃』の魅力を支える対比構造!
キャラクターに深みを与える構成力
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『週刊少年ジャンプ』で2016年から連載されている『鬼滅の刃』。 2019年にはアニメ化され、異例のヒットを巻き起こしています。 そんな『鬼滅の刃』のアニメ化との親和性と、今後さらに深掘りされる事となる圧巻の構成力をご紹介します!
目次
この作品は、大正時代を舞台にした王道アクションもの和風剣戟奇譚。
山で炭売りとして家族と仲睦まじく暮らしていた主人公の竈門炭治郎がその家族を惨殺され、唯一生き残るも人喰い鬼となってしまった妹の禰豆子を元の人間に戻す方法を探すというところから物語が始まります。
この作品の世界では夜になると人を喰らう鬼たちと、その鬼たちを密かに退治し人々を守ろうとする鬼殺隊が凌ぎを削っており、人間社会の裏側で凄惨な戦いが日々巻き起こっています。
そんな鬼殺隊の幹部・冨岡義勇は鬼となった禰豆子が人を喰わない事に驚き、彼女を生かしたまま炭治郎を鬼殺隊へ勧誘。
こうして鬼殺隊として各地で鬼たちと戦う道へ足を踏み入れた炭治郎は、様々な妖しい術・鬼血術を使う鬼たちと遭遇し、禰豆子を人間に戻すきっかけを探しながらも成長していきます。
2019年のアニメ化では、製作陣として「ufotable」という会社が関わっています。
この会社は高い作画技術に定評があったため、アニメ公開前からファン達の間で大いに期待を寄せられていました。
そしてこのアニメの第1話から第5話までを、TVでの放送前に『鬼滅の刃 兄妹の絆』と題して劇場で公開することが決まった時には大変盛り上がり、公開第1週、第2週ともにミニシアターランキングで1位を記録する快挙を達成したのです。
TV放映後は立て続けに単行本は重版がかかり、初版の発行部数も右肩上がりで人気を拡大中。SNS上でも話題です。
アニメの物語は春のクール終了するあたりで、ようやく炭治郎の鬼殺隊の同期である我妻善逸と嘴平伊之助が登場。
なんとなくのキャラクターの描写が済んだところで、2クール目に突入といったスピード感で原作を消化しました。
対して原作では現在敵味方の総力をぶつけ合う最終決戦の局面を迎えており、各キャラクターの人物描写や過去の因縁などもすでに浮き彫りに。
アニメでは美麗な劇中音楽や作画などが大きな魅力となっていましたが、アニメを見てこれから原作を読もうか迷っている方にはぜひこの作品の*無駄のない構成力を知っていただきたいと思います。
炭治郎たち鬼殺隊と強力な鬼たちとの戦いの中で、その鬼と似通ったところ・決定的に違うところが描かれいます。
そこから、人物像や歩んできた人生の深いところまでを垣間見ることができ、作品の読み応えをさらに確かなものにしています。
例えば、炭治郎はこの先敵幹部である十二鬼月の上弦である妓夫太郎・堕姫という兄妹鬼。
この兄弟は人間時代遊郭の出身で遊女だった妹が客に抵抗して暴力を振るった罰として生きたまま焼かれ、続けて兄も侍に切られてしまいます。
そして兄弟共々虫の息となったところに鬼にスカウトされ、鬼となって生きる事となりました。
鬼に家族を殺され人間に救われた炭治郎・禰豆子と、かたや人間から酷い仕打ちを受け鬼に助けられた妓夫太郎・堕姫。
境遇が対比されており、そしてこの兄弟も邪悪で柄の悪いところはありつつ兄弟の絆は本物であったことが証明されていました。
作中でも語られていましたが、環境ひとつ違ったら炭治郎たちも彼らのようになっていたかも知れないと暗示させる名シーンです。
このシーンだけでなく、作中の様々な場面でこのような対比構造が散りばめられています。
最も強烈な対比として描かれているのが鬼のボス。
最初に生まれた鬼である鬼舞辻無惨と鬼殺隊のボスで、人並み外れたカリスマを持つ産屋敷耀哉です。
真っ向から敵対している鬼舞辻無惨と産屋敷耀哉ですが、実は同じ血筋の者であることが後から判明します。
この血筋の者は代々病弱で30歳までは到底生きられない病を抱えて生きており、無惨も永くは生きられない運命だったところ永遠に命を手に入れる事に執着して鬼となりました。
物語の根幹をなすこの二人ですが、比べてみると面白いほど真逆です。
■自分を治療していた善良な医者を途中で殺し、中途半端な治療で終わったため日光の下で活動ができない鬼となる
■十二鬼月が一人倒された事で十二鬼月の下半分を詰めたのち自ら惨殺
■自分が増やした鬼が徒党を組んで反乱を起こさないよう、集団行動ができないように鬼たちをプログラミング
■部下の怠慢を指摘し、否定すると「私が言ったことを否定するのか」と惨殺
■基本的に恐怖と暴力によって組織を統率
■「1/fゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)」という特殊な声質を持っており、聴く相手を心地よい気分にさせ自然と慕われる
■常に思慮深く物腰柔らか
■部下から反論があっても一旦気持ちを汲み取り、その上で論理的に説得し理解させる
まだ23歳でありながら鬼殺隊から全幅の信頼を置かれる耀哉に比べ、無惨は1000年以上生きながらタチの悪いパワハラ上司か癇癪持ちの子供のようです(笑)
以上、対比構造という視点をメインの切り口として『鬼滅の刃』をご紹介しました。
紹介した構成力だけでなく、大正ロマンあふれる和洋折衷の衣装やキャラクターデザイン、クスッとくるようなギャグ、炭治郎のずば抜けた人間力など、たった1回読んだだけでは味わいきれない魅力が詰まっています。
ぜひ、アニメも原作もトライしてみてあなたなりの魅力ポイントを探してみてください!