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少女漫画というと学園ものや恋愛ものばかりで、10代の女の子向け、というイメージから読んだことがない方も多いのではないでしょうか。でも、性別や年齢を超えて愛される作品もたくさんあるんですよ。今回はその中から、男性におすすめしたい少女漫画を3作、ご紹介します。食わず嫌いしないで、ぜひ読んでみてくださいね。
『BASARA(バサラ)』
田村由美 小学館
「BASARA」は、20世紀末に文明が崩壊した日本が舞台の架空戦国漫画です。
荒廃し幕末のように国が分裂した日本は、各土地を治める国王がそれぞれ独裁政権をもって圧政を敷いていました。そんな状況を打破しようと立ち上がる、運命の少年・タタラですが、暴君・赤の王の配下によって倒されてしまいます。
絶望する人々の前に、タタラに代わって立ち上がったのは双子の妹・更紗(さらさ)。更紗は女であることを隠し、タタラとなって赤の王に立ち向かいます。しかし赤の王・朱里と更紗は互いの正体を知らないまま出会い、惹かれ合ってしまうのです・・・。
漫画好きの女性の間では、知らない人はいないであろう不朽の名作。少女漫画の中でもかなりクセの強い絵柄なので、普段から少女漫画を読む私ですら初めは戸惑いましたが、読み進めるうちにストーリーの面白さも相まって、その絵も不思議とクセになってくるのです。なので、男性の皆様も、どうか絵を敬遠せずに読んで頂きたいです。
この作品はキャラクターの心情描写が非常に丁寧なので、登場人物と共に共感したり反感を覚えたり、いつの間にか物語の中に引き込まれていきます。人の強い部分も弱い部分もリアルに表現されていて、ファンタジーながらも現実的な人間模様が描かれています。そのせいか胸に刺さる登場人物の名言も多いです。
「国の未来を築くのは、救世主でも王でも英雄でもない。母親という人たちです」これなど今の社会でも言えるかも。
また、実際ある土地や、日本の歴史背景も出てきたりもするのも魅力の一つです。ほぼ埋まった関門トンネル(九州と本州を結ぶトンネル)を主人公が通ったり、沖縄は首里城が残っていたり。新選組っぽい「夜郎組」や、幕末志士がモデルになったようなキャラクターも出てきます。
少女漫画ならではの、朱里と更紗の恋愛関係も、もちろん見どころ。お互いの正体を知った時の描写は鳥肌モノでした。最終章に向けての2人の心の揺れ動きがリアルで、またぐっときます。恋愛漫画が苦手な方でも、続きがきっと気になるはず。
物語が終わった後も、様々な登場人物にスポットを当てた番外編だけで、本が数冊出るほど根強いファンが多い人気作品です。
※田村由美先生の新作「ミステリと言う勿れ」は以下の記事でご紹介しています。こちらも面白いですよ。
『君に届け』
椎名軽穂 集英社
「君に届け」は女子高校生の黒沼爽子(さわこ)を主人公とする恋愛青春漫画。
大人しく控えめな性格の爽子は、周りと上手く人間関係が築けず、見た目の暗さから「貞子(さだこ)」というアダ名で呼ばれてしまいます。そんな中クラスのムードメーカーでもある、風早翔太のさり気ないサポートもあり、徐々にクラスに馴染み、友達もできる爽子。いつまでも自分に自信が無く、友情も恋愛も苦労する爽子ですが、翔太や周囲の影響で少しずつ変化していきます。
実写映画にもなった人気作品なので、タイトルを耳にしたことがある人も多いはず。そのイメージからただの少女漫画と思っている方もいるかもしれませんが、そういう男性にこそ読んで頂きたい作品です。
基本的には恋愛が主軸なのですが、それだけではなく、爽子とその友達との友情に、とにかく感動します。ハンカチ必須!
爽子は心優しくマイペースな性格なのですが、その性格に加えて、自分の感情を口にするのが下手なため、様々な場面ですれ違ってしまいます。「貞子」という暗いイメージにも関わらず、どんな時も一生懸命な爽子は、非常に好感が持てるキャラクターです。
なかなか進展しない爽子と翔太の恋もですが、登場人物それぞれに焦点を当てた恋愛模様も進んでいくので、オムニバス作品的な要素もあって飽きません。登場人物みんなが個性豊かであって、とにかく一生懸命で純粋。恋愛漫画と一言では言えない、爽やかな青春漫画でもあります。
『僕の地球を守って』
日渡早紀 白泉社
「僕の地球を守って」は異星人という前世の記憶を持って現代に転生した、男女7人のSFファンタジー作品です。
主人公は女子高生の坂口亜李子(ありす)。彼女は度々宇宙(月基地)から地球を観察する夢「ムーンドリーム」を見るのですが、ある日同じ学校のクラスメイト2人も同じ夢を共有していることが発覚。他の仲間を見つけるにつれ、それが単なる「夢」ではなく、夢に登場する人物が、それぞれ自分達の前世だということに気づきます。
登場人物はそれぞれに超能力のような特殊な能力を持ち、その力もまた現世に引き継がれているので、超能力を使ったバトルシーンも繰り広げられます。
通称「ぼく地球(たま)」という愛称で愛されているこの作品は、ゆっくりじっくり読むか、2度3度読まないと理解できないくらい難解なストーリーです。現世と前世での登場人物が徐々にシンクロするのですが、主人公達も「自分はこの人だ」という確証が無いので、読者も一緒に推理していかなければなりません。
少女漫画なのになかなか影のある内容で、亜李子を慕う小林輪(りん)は7歳の少年という設定にも関わらず、前世の記憶に縛られ、あまり読者に好まれないキャラクター。が、それも、暗い過去を背負ってのことだと分かります。
現世と前世で複雑に絡む恋愛模様も去ることながら、戦争の不毛さや自然の大切さなど、深いメッセージ性のある作品で、大人の男性にもおすすめです。
続編として「ボクを包む月の光」が全15巻、更に2015年からシリーズ3作目「ぼくは地球と歌う」が連載中です。