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『ヤングマガジン』で2005年から2010年まで連載されていた『喧嘩商売』は、喧嘩に明け暮れる主人公・佐藤十兵衛の戦いを中心にした格闘マンガです。最初は十兵衛の学校生活の話や他校の高校生との戦いを、ギャグをふんだんに交えて描いていましたが、話が進むにつれ十兵衛の戦いはより大きなステージへ移っていきます。次の作品、『喧嘩稼業』に向けて散りばめられたこの作品の構成要素を、一挙に復習してみましょう。
この作品の中で、最も多く繰り返される言葉があります。
それは・・・
「最強の格闘技は何か」
という言葉です。
ボクシングや空手、柔道、古武術等、多種存在する格闘技がルールなしで戦った時、最強の格闘技は何か!?というのがこの作品のテーマとなっています。
そのテーマの通り、メインの十兵衛絡みのストーリーとは別に、定期的に様々な格闘技者のエピソードが数話ずつランダムに入ってきます。本筋に関係ないといっても、決して読み進める上で邪魔になるわけではなく、短いエピソードながらそれぞれの格闘技の特徴がかなり強いインパクトで伝わってきます。
そして、ただの格闘技の紹介ではなく、各登場人物の戦う理由や、自分が身につけた格闘技への思いがその半生と共に描かれることもあります。この、各キャラクターを深く掘り下げた多彩なストーリーが「最強の格闘技は何か」というテーマに読者を引き込んでいきます。
主人公・佐藤十兵衛は宇都宮の高校に転校してきた高校生です。この佐藤十兵衛、主人公でありながらめちゃくちゃダーティです。
彼の当初からのファイトスタイルは「喧嘩」。特定の格闘技にこだわらないどころか、物語の開始早々にヤクザを学校の2階の窓から投げ落とし、ブラフや凶器を何の躊躇もなく使うなど、相手を倒すための手段を全く選びません。
2018年にドラマ化された『今日から俺は!!』をご覧になった方には、三橋に近い人物像だというと伝わりやすいかもしれません。ただ、十兵衛の方が性格も攻撃の容赦の無さも圧倒的に凶悪ですが…。
さて、そんな十兵衛ですが、『喧嘩商売』で彼を喧嘩に駆り立てる動機は、常に「リベンジ」であると言えます。東京から宇都宮の高校に引っ越してきた十兵衛は、天才空手家高校生の高野照久を倒すために動きます。彼が喧嘩に明け暮れるようになったきっかけは、この高野にあります。昔、いじめの対象にされていた十兵衛を高野がたまたま助け、図体がデカいのに弱いんだな、と吐き捨てたことで十兵衛は強くなる決心をして、喧嘩の技術を磨き続けていたのでした。
また、高野と決着が着いたのもつかの間、十兵衛はヤクザとのいざこざ絡みで、工藤優作という無敵の喧嘩師に半殺しにされてしまいます。泣いて許しを請い、小便を漏らし、最後は議員である母親の名前のおかげで見逃された十兵衛は、工藤に再戦を果たすために喧嘩の師匠に再度正式に弟子入りします。
工藤に敗北を喫した十兵衛は、痛みを感じず常に火事場の馬鹿力を出せるという工藤にリベンジするため、富田流の入江文学という人物に弟子入りします。そして修行の末、4つの強力な武器を手に入れます。
不死身とも思えるような工藤を倒すため、十兵衛はこれらの技を駆使して戦いの準備をします。
富田流の技を会得した十兵衛は、もはや柔道の金メダリストにもほぼルールなしの戦いで勝てるほどとなりました。この戦いの勝利によって、十兵衛は工藤と再戦を果たせるはずでしたが、工藤と戦うためにはあるトーナメントに出場せざるを得なくなります。
このトーナメントというのが、『喧嘩商売』の続編である『喧嘩稼業』の舞台となる陰陽トーナメントです。十兵衛の師匠・入江文学の因縁の相手である田島彬が主催するこのトーナメントは、まさに「最強の格闘技は何か」という問いの答えに迫ろうとする大会です。
そして、これまで物語に関係ないと思われてきた各格闘技の使い手たちは、何と陰陽トーナメントの出場者たちだったことが物語の終盤で判明します。
この出場者たちのエピソードは、作品のかなり前半から語られてきており、相当早い段階でこのトーナメントの構想を描きながら物語が進んできたことになります。そして作品を通して描かれてきた十兵衛の成長も、まさにこのトーナメントのためのものだったのでしょう。
※『喧嘩稼業』と陰陽トーナメントについてはこちらの記事をご覧ください。
こうして、物語は『商売』から『稼業』へとステップアップしていきます。
急にトーナメントが始まり、知らないキャラクターが多数登場してくるのは他の漫画でもよく見かける光景ですが、この作品が圧倒的に違うのがこの構成力にあります。何年もかけて少しずつ出場者の背景が描かれてきたため、読者にとってこのトーナメントはポッと出のキャラではなく、実在する格闘家たちが夢の競演を果たしたかのように感じることでしょう。
ぜひ、この作品を読んだ上で、『喧嘩稼業』のトーナメントの観客の一人となりましょう!
(KURIMO)