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無人島へタイムスリップ
月刊ヤングマガジンでの連載も完結して、単行本全6巻も好評を博している岡崎武士先生による「レッツ☆ラグーン」。 修学旅行中に乗っていた船が海難事故に遭ってしまい、無人島へ漂着した男子高校生の主人公と同級生の女子たちとの生活を描いたSFサバイバル漫画です。 島からの脱出を目指す流れはあるものの、これまでの無人島を舞台にした作品とは一味も二味も違う本作。ここでは、「レッツ☆ラグーン」の魅力をたっぷりとご紹介していきます。
主人公の男子高校生・山田壮太(やまだ そうた)が目を覚ますと、そこは無人島だった。
記憶も曖昧で今自分が無人島にいる経緯も思い出せないまま。
周囲には救命ボートの残骸と7日間分の食料とサバイバルキットのほか、自分の着替えが入ったスポーツバッグの中に修学旅行の日程表が入っていた。
どうやら修学旅行中だったことが分かった壮太は、すぐに救助が来るだろうとタカをくくっていた。
しかし、救助艇はおろか水平線の彼方まで船影はない。
主人公は仕方なく島内を探索し飲めそうな水を発見したりしながら、救助を待つことに。
ある日ふと気づくと、残り少なくなっていた食料を女の子が食べていた。
女子の正体は、壮太の同級生で本作のヒロイン・衣舞瀬(いまいせ)チカ。
彼女も壮太と同じように、この無人島に漂着したらしい。こうして、無人島で二人のサバイバル生活が始まっていく。
本作の見どころの一つとして、主人公の壮太をめぐる恋愛要素があります。
ヒロインのチカ以外にも魅力的な女の子が登場。ストーリーを盛り上げてくれます。
無人島という特殊な環境の中でサバイバル生活と並行しながら、思春期まっただ中の高校生たちの揺れ動く心情は必見。
繊細で丁寧かつ時にコミカルに描かれ、重くなりすぎずにクスッと笑えて楽しい作品です。
主人公と行動を共にする女の子が、ストーリーの展開ごとにスイッチ(入れ替え)されていくので、読者を飽きさせません。
実はこの無人島は、ただの無人島ではありません。
気候が安定していて過ごしやすく、サバイバル生活において一番大切な真水も簡単に手に入ります。
火をおこすのに必要な枯草や細い枝もたくさんあって、食料も魚貝が豊富に捕れてニワトリまでも群生。労を要せず生活ができ、極端に栄養が偏ることもありません。
さらに、薄着で藪の中を歩いていても虫に刺されることもなく、毒ヘビなど人間に害を及ぼす生物が生息していないという安全性も保障されています。
主人公をはじめ登場人物たちは、特別なサバイバル術に長けているわけではない普通の高校生。
にも関わらず、本来なら過酷を極めるであろう無人島生活で、死活問題になるような事態には陥っていないのです。
つまり、人間にとって大変都合のいい、比較的心地よく生活ができる無人島ということ。この不可解な無人島の快適さが、本作のキーポイントとなっています。
ぜひ、皆さんも主人公と一緒に、この無人島の真相を究明してみてください。
単なる無人島サバイバル漫画ではない本作最大の特徴は、現実と未来が交錯するタイプスリップ要素があること。
脱出不能の隔離された環境だけでストーリーが進んでしまうと、どうしてもストーリーが窮屈になりがち。
しかし、このタイプスリップ要素が加わったことによって、ストーリーに奥行きが生まれてよいアクセントになっています。
タイプスリップものにつきものの時間軸うんぬんやタイムパラドックスなどの小難しい話も出てはきますが、ダラダラとした説明がないのでストーリーのテンポも◎
この手の話が苦手な方も、サラッと読み進めていけるのではないでしょうか。
本作は、サバイバル漫画にありがちな食料の奪い合いや、生き残りを賭けたグロテスクな殺し合いなどの争い事は全くありません。
全体的に爽やかなトーンの作品です。
無人島でのサバイバル生活を軸に恋愛やミステリーに加えてSFと、色んな要素が盛りだくさん。
それぞれの要素がキッチリ棲み分けされて描かれているので、ゴチャゴチャしておらずメリハリが利いて、読み手もサクサクページを進めていくことができます。
何より読者の目を奪われるのが、無人島のありのままの自然の美しさ。
白い砂浜に打ち寄せる波、青々とした草木、涼しげな渓流、山の頂上から望む地平線へ沈む夕日、満天の星空・・・
各シーンごとにその場の空気感がしっかりと伝わってきて、心地よい癒し効果があります。
単行本全6巻で完結しているのでボリュームもちょうどよく、気軽に手に取ることもできるのではないでしょうか。
ストーリーとは別に無人島の自然の美しさから、ちょっとしたリゾート気分も味わえるのも魅力。
この手のジャンルの作品が好きな方はもちろん、旅行好きの方にもオススメできる作品です。
(ライター:パープル2)