【約束のネバーランド】クローン、鬼と名前を巡る考察

【約束のネバーランド】クローン、鬼と名前を巡る考察

気になる鬼ボスの名前が謎ときのカギ?!

【約束のネバーランド】クローン、鬼と名前を巡る考察

人気を博して各種コラボなど連載誌面内外で楽しませてくれる「約束のネバーランド」。人喰い鬼達と食用児達、食用以外の人間達が織り成す物語だ。人喰い鬼の頂点に立つ存在である鬼ボスの名前が、誌面上鬼文字で表記されているため、読者からわからない、読めない、つまるところ名前不明の状態となっている。この記事では鬼ボスの名前にスポットライトを当てて、約束のネバーランドという物語を考察してみたい。

 

鬼ボスの名前にクローンの影を見る

鬼ボスの名前は誌面上は右のよいな表記になっている。あたり前だが、これは読めない。

しかし、これを左に90度回転してみると・・・

縦から横にすると鬼ボスの名前の中に、もとはギリシア語で植物の小枝の集まりを意味するκλών 『クローン』の文字列が隠れているように見える。

クローンとは?

世界大百科事典第2版の解説

生物学において,同一の遺伝資質をもった個体群を指す用語。現在では細胞や遺伝子についても一群のコピーをいう場合に用いられる。クローンとは,元来はギリシア語klōnで〈小枝〉という意味である。1本の木から出る小枝は,なん本あっても遺伝的に同じ資質をもっていることから,ウェッバー>H.J.Webberが初めてこの語を上のような生物学的意味をもつものとして使った(1903)のに始まる。自然界において,無性生殖(栄養生殖)によって作られる一群の子孫の生物個体は,すべて同じ遺伝資質をもったコピーであって,クローンである。

クローンとは挿し木

【以下ウィキペディアより参照】

挿し木とは
母株の茎の一部を切り取り(これを挿し穂という)、挿し床に挿し、芽と不定根の形成を期待することで個体数を増やす園芸ないし農業技術のこと。

物語中に出てくる挿し木

作者によって『ヴィダ』と名付けられたこの植物。

人間の身体に刺す前は蕾の状態だ。しかし『挿し』たあとは花が開く。

ヴィダは物語上、血抜きの作用を持つ不思議な植物という設定。

ヴィダは、あたかも、人間の栄養分【血液】を吸い取り自身の成長に役立てているに見える。

物語に登場する鬼とは?謎多き鬼の頂点は不死身なのか?

千差万別の鬼達

物語には見た目、いろいろな鬼達が登場する。ツノがあったりなかったり。弱点である目の数、目の位置がそれぞれ違ったりしている。

高度な知性を持つ鬼もいれば、野良鬼【下等種】と呼ばれる知性を持たない脚がたくさんある鬼まで。

また、人間に近い見た目のムジカという鬼も登場している。一つ目の猿や一つ目の鳩のような生き物も・・・

クローン【コピー】元は、鬼ボス?

仮に、鬼ボスがすべての鬼の起源であり、そこから鬼が色々な生物【人間も含む】とかけ合わさることで一つ目の猿や鳩、知性鬼、野良鬼たちが産まれた、と仮定するとどうなるか?など読者の間でも様々な憶測を呼んでいた。

頂点に君臨するボスが鬼達から神のような存在として崇められているわけだが、その絶対的存在が最上級の人間の脳を食してその知性を自分の遺伝子のなかに取り込む意図にも、注目したい。

レウウィス大公の最後、気になるカット

レウウィス大公と呼ばれる名前の鬼の最期を描いたものだ。走馬灯さながら色々な場面がフラッシュバックしている。

その中に、赤丸で囲まれてるのは上に記したムジカという鬼がいる。

彼女の正体や、カット中央付近の小瓶に入れられているものに注目してほしい。これは、鬼ボスの遺伝子を含む体細胞なのではないか?

脳を食べる、知能を食べる。


孤児院という名目のグレイスフィールドハウス。しかしその実態は人喰い鬼が食べるための子供達を支配下に置いている人間【ママ】を使って育て上げ、収穫するための農園だ。

そのハウスで毎日行われているテストの徹底した管理体制は、のびのびとした子供たちの生活環境のなかでも異質そのもの。

天才的な頭脳を持つノーマンは3話で「脳が一番旨いんだろう。それもより発達した脳が。」と分析している。

人間の脳が旨い。食用児の旨い脳を食べるため。ただそれだけのために毎日勉強をさせるのだろうか・・・

人喰い鬼が脳を食し、その知能を取り込めることが理解できるシーンとして、鬼のノウスが死んだノウマの頭を食べるシーンがある。

ノウスはノウマと一心同体になったわけだが、人喰い鬼たちが子供達の脳を発達させようとしているワケには、ただ旨い脳を食すという目的だけではないように思う。

脳を食べて人間の知能を取り込みたい。そんな願望の元、人喰い鬼たちはただ肉として出荷する、安価量産型農園だけではなく、グレイスフィールドハウスの様な高い知能を持った子供達を育てるための高級農園を作ったのではないだろうか。

鬼ボスは死なない存在?

主人公エマが寺院で顔なし鬼を見た際に、「鬼ボスと似ている」という発言をした。

鬼の弱点である眼が無い。

もし仮に鬼ボスが眼のない鬼であれば、それは、不死、死なない存在なのかもしれない。

まとめ

約束のネバーランドという 物語は『クローン』を軸にして廻っている。

  • 鬼文字で伏せられている鬼ボスの名前
  • クローンを彷彿とさせる名前
  • クローン元・・・
  • 少年たち自体が、あたかもクローンを作り出すかのように訓練されていたことも

鬼の名が明らかになった時、その始元も同時に明らかになるのか?・・・
と、いった下馬評も聞こえてくるが、注目のラストを予想しつつ読み進めていくと面白さも割り増し!伏線の回収をチェックしつつ、謎解きを楽しんでいきたい。

(ライター:サンマ雲)