「喧嘩稼業」が数ある格闘漫画の中でも異色で面白いと言われる7つの理由

「喧嘩稼業」が数ある格闘漫画の中でも異色で面白いと言われる7つの理由

「現在最も熱く面白い格闘漫画は何か?その答えの一端がこの記事を読んで分かる」

「喧嘩稼業」が数ある格闘漫画の中でも異色で面白いと言われる7つの理由

格闘漫画は闘うだけの単純な作品ばかりと思っていませんか? 今回紹介する「喧嘩稼業」はそんな格闘漫画に対する先入観を吹き飛ばす、他に例を見ない個性的な格闘漫画となっています。 前作「喧嘩商売」と合わせると34巻となり現在も連載中で連載期間は既に13年にもなります。 「ルール無しで 『喧嘩』で戦った時 最強の格闘技は何か? その答えの一端がこのトーナメントで分かる」 (喧嘩稼業作中ナレーションより) 多くのファンに支えられ、格闘漫画では珍しく予想考察サイトまで作られるこの「喧嘩稼業」の魅力とは一体何なのでしょうか? 他の格闘漫画とは違うこの「喧嘩稼業」の魅力を7つにまとめてみました!

 

1. 主人公の佐藤十兵衛がとにかく悪知恵を働かせることに長けている

十兵衛が「性質が悪い」ポイントは

  • 全キャラトップクラスで頭がいい
  • 性格の悪さも全キャラトップクラス
  • 実家はお金持ち
  • 格闘技のセンスもある
  • 勝負を諦めない根性も備わっている

等といった点です。

格闘センスや根性等はそれだけだと悪い事ではありませんが、十兵衛の様な性格の悪いキャラにしっかりと実力が備わっているという点が厄介なのです。

十兵衛は英語や中国語などを喋れるので、勝負の最中に相手が分からない言葉を喋り試合外の人間に指示を出したりもします。

とにかく言葉を匠に操り相手を翻弄させることに長けているのです。

作中で開催されている「陰陽トーナメント」では参加者16名中、作中の評価としては最弱の選手として位置づけられています。

それは十兵衛がまだ高校生であり成長途中であること、他の選手達はほとんどが完成されている域に達している事から仕方の無い評価です。

十兵衛の強さと魅力はどこにあるのか?

しかし、十兵衛の本質を理解している人間の見解は違います。

試合前から勝つための準備を誰よりも入念に行い、試合中にピンチになった際でも何度も十兵衛は立ち上がります。

十兵衛を知る人物達はその姿を見て心の中でこう思います。「佐藤十兵衛はここからが強い」と。

これは十兵衛の試合では定番となるシーンでハイライトでもあります。

十兵衛の”たち”が悪い点は同時に主人公らしい魅力にもなっています。

勝負を諦めずに何度も立ち上がり自分よりも格上の相手に向かっていく。

ここだけ見るとまるで少年漫画の主人公の様です。

しかし十兵衛が他の主人公と違う点は、その状況も想定してしっかりと罠を張っている点にあります。

2.試合前からすでに勝負が始まっている

先ほどの十兵衛の紹介でも少し触れましたが試合前から勝つための準備をしています。
これは試合に勝つためにトレーニングをするとかそういった話ではありません。

十兵衛が行ったものでいくつか例をあげると

  • 自分の対戦相手を他の因縁のある選手と試合前に闘わせようとする
  • 血液ドーピングをする
  • 試合開始のゴング前に一方的に対戦相手をボコボコにする為の状況作りをする
  • 対戦相手が動揺するようなプライベートな点をとにかく刺激しまくる

これだけ見るととても主人公とは思えません。
とにかく十兵衛は試合前に様々な策を練り必要があれば他の選手との接触を図ります。

3. 各キャラクターそれぞれ独特な個性と確かな実力がある

主人公の十兵衛もかなり癖のあるキャラですが、他のキャラも負けていません。

  • ヤクザの用心棒で喧嘩最強の素人
  • 悪知恵は十兵衛と同クラスの片手の剣術使い
  • 究極のマゾであるヘピー級ボクサー
    -幻覚を見続ける天才日本拳法家と全ての言動が異常な戦場あがりの兄
  • 843戦無敗という戦績を誇る横綱
  • 防御不能(防御した箇所が破損する)の蹴りを放つキックボクサー
  • 記憶を失い続ける地下格闘士
  • 空気の読めない総合格闘家

等、一部のキャラクターを抜粋しましたがかなり濃厚なキャラが揃っています。

4.各キャラクターのエピソードも丁寧に掘り下げられている

トーナメント出場選手は16名です。

もともと十兵衛はトーナメントには出場する権利は無かったので十兵衛と主催者の田島を含めると全部で18名となります。

その全てのキャラの生い立ち等をそれぞれ話数を割いてしっかりと描かれています。(主に前作の喧嘩商売で)
そこでも書き切れなかった部分を喧嘩稼業で更に掘り下げています。

実は他の格闘漫画ではなかなか見られない試みです。

大体1回戦の脇役キャラ等は大したエピソードも無く、読者にも勝敗がわかりきっているカードが多いです。

しかし喧嘩稼業はそれぞれのキャラのエピソードをかなり深く描くことにより、結果読者も勝敗が読めません。

それぞれのキャラが他のキャラとの因縁もあり、そしてどのキャラクターに対しても感情移入させられ応援してしまいます。

作中では1回戦4試合までが終わっていますが、それまでのどの試合も全てのキャラに対して「負けないでくれ」という気持ちで読んでいる自分がいました。

5.伏線の張り方がうまい


この近年、漫画界では「伏線」というものが重要視され、その伏線により人気を左右されます。

「ワンピース」や「HUNTER×HUNTER」「進撃の巨人」などはその伏線漫画の代表格とも言えますね。

「喧嘩稼業」でも伏線は多く張られています。

十兵衛の試合前の画策などは代表例とも言えます。

読者には十兵衛のさりげない行動が実は既に策の中だとは気づけず、後になりネタばらしで「あの行動からすでに始まってたのか?」と驚かされます。

また、既に現在行われているトーナメントの次のステージが用意されているような描写も多々見られます。

6. 台詞の言い回しのセンスが高い

それぞれのキャラの台詞の言い回しが素晴らしいです。

この要素もあり「喧嘩稼業」が他の格闘漫画と差別化がされていると考えます。

単純に腕力を比べ合うだけでなく頭も使い闘う。その為にはこの台詞のセンスは漫画として非常に重要です。

ヘビー級ボクサー石橋(階級の軽い選手に対して)

「お前らのやっているのはボクササイズでボクシングじゃない(中略)カッコ良すぎて俺なら自殺しているぜ」(喧嘩稼業1巻より)

佐藤十兵衛(石橋との決着直前で)

「感謝している 矛盾する思いがある 必殺技を出すが死んでほしくない」(喧嘩稼業3巻より)

工藤対梶原戦 梶原が必殺金剛を決めた際のナレーション

「時間が止まっているように感じた 観戦者は唾を飲むことも忘れ 事の成り行きを見つめている 
音のない世界 耳が痛くなるほど無音だった 耳が痛くなるほど 湧いた!」
(喧嘩稼業6巻より)

特に最後に紹介したものは他の格闘漫画では見られないような文学的にも感じるものです。

実際に作者の木多さんは喧嘩稼業別巻として小説も出されています。

7. 要所でのギャグセンスも高い

作者の木多さんは元々ギャグ漫画家でした。

主に芸能人や他の漫画家、周辺の編集者やスタッフを作中で「いじる」ことによる笑いを得意としていました。

前作の「喧嘩商売」では試合の最中に急に別場面のギャグ回が挟まれることもありました。

「喧嘩稼業」になってからはギャグ回は無くなりましたが、単行本のおまけ漫画としてたまにギャグ話が載っていたりします。

また試合の合間などの十兵衛と他キャラのやり取りにはさりげないギャグトークが多いです。

そういったギャグ要素により、飽きずに読めるようになっているのも他の格闘漫画とは違いますね。

喧嘩稼業・まとめ


「喧嘩稼業」が読む人間の心を掴み離さない理由をここまでまとめてきました。

血の涙を流す対戦相手に「卑怯者」と言われながらも「超ウケる」と言い放ちぶん殴る主人公・佐藤十兵衛が、

強者揃いのトーナメントでどこまで勝ち進められるのか見届けませんか?

一番心配なのは作者木多先生の休載癖ですね(笑)

前作「喧嘩商売」が休載した際の様に3年も待たされないことを祈るばかりです!