『金剛寺さんは面倒臭い』

『金剛寺さんは面倒臭い』

今ここがラブコメの最前線!

『金剛寺さんは面倒臭い』

『ゲッサン』(月刊少年サンデー、MONTHLY SHONEN SUNDAY、GET THE SUN! )でただいま絶賛連載中のとよ田みのる先生が描く、面倒臭くてまっすぐなロジカルピュアラブストーリー「金剛寺さんは面倒臭い」。間違いなく今の漫画シーンでアツイこの1本について魅力をたっぷりと紹介していきましょう。

 

宝島社「このマンガがすごい!2019」オトコ編2位を獲得!

宝島社が発表する、マンガファンが本音で選ぶランキング書籍「このマンガがすごい!2019」が2018年12月に発売され、そこで堂々のオトコ編2位を獲得した本作は、注目のタイトルになりました。

もともとTwitterで密かに話題になっていましたが、その漫画版のミシュランとも言えるランキングムックで上位に選出されて以降は単行本新刊の販売も上々。流れがきていたところに箔がついて、今キテいる作品のひとつになっています。

金剛寺さんは面倒臭い・あらすじ

本作の主人公兼ヒロイン・金剛寺金剛(こんごうじこんごう)←冗談みたいな名前ですが本名です(ぶっ飛んだ内容のラブコメなので、本作には冗談みたいな名前の人しか登場しません)。

彼女は大江戸湾岸高校に通う高校2年生で、ある日路上で捨て猫にエサをあげようとしていた青年で同校の1年生・樺山(かばやま)プリンに「無責任だなっ!!!」と声をかけるところから物語は動き出します。

その猫を飼う気もないのに軽はずみにエサを与えるなと金剛はプリンを諭し始めると、ふたりの前を通りかかった妊婦さんが突然、産気づくという緊急事態に。

それに気づいた金剛はプリンへの説教を止め、テキパキと迅速に行動し妊婦をかかりつけの産婦人科へタクシーで送り出すのです。妊婦さんが金剛にお礼を言うと、「道徳の教科書の規範に基づいた行動をしたまでのことで、そこに親切心は無いから礼には及ばない」とひとこと。冷たくあしらいます。

その金剛の姿に心打たれたプリンは「金剛寺さん好きです!!大好きです!!!」と愛の告白をした次の瞬間、コンマ5秒で金剛に柔道技で投げ飛ばされます。

ええええええ??????どんな急展開?!

色々な意味でファンタジーを見せるラブコメ

この記事をお読みの方も、主軸ふたりの出会いからこの怒涛の展開できっと面食らうことでしょう。

もう一人の主人公・樺山プリンは人ではなく“鬼”です、頭におもいっきりツノ生えてます。

それは都内某所に突如開いた直径およそ200m穴、その地下深くには地獄が広がっており、ある日世界は地獄とつながったのだッッ!!!!←という設定。

こういったファンタジーをテロのごとく、この漫画は唐突にぶっこんできます。大丈夫です、読んでるうちにすぐ慣れます(むしろ期待しちゃいます)。

3歳の時その地獄から穴を通って地上に逃げてきたのが、金剛に投げ飛ばされた樺山プリンです。彼はその後とある老婆に拾われ地上で育ちました。

つまりこの作品では「地獄」と「鬼」が普通に存在しているため、少女漫画にありがちな現実社会でのラブコメではなく、ファンタジーが前提にある世界観の作品となっています(まぁ、それ以外にも色々とファンタジーですが・・・)。

ナンダカンダで二人は両想い、でも一筋縄ではいかない

柔道部に所属しIH個人2位の猛者で学業も優秀な金剛は、いわゆる委員長タイプのクールなメガネ女子です。ただタイトルどおり性格がまぁぁぁぁぁー面倒臭い。口を開けば杓子定規な正論&ウィキペディア並みのウンチクで1つのケーキを半分に分けようものなら、高額な高精度測量機で原子レベルで等分しようとする、「半分コ」への異常な執着を見せたりと面倒くさいったらありゃしません。

かたやプリンは鬼なので怪力の持ち主ながら、必要以上にその怪力を振るおうとはしない基本的に柔和なタイプです。家には20匹の猫がおり、冒頭で述べたように捨て猫を見たら放っておけないほどの愛猫家。家に連れて帰り養いながら同時に里親も探すなど保護猫団体ばりの純朴で心優しい青年です(なので冒頭の説教は、金剛が誤解していたことになります)。

そんなプリンと接していくうちに金剛も少しずつ年頃のJKらしさを見せ始め、物語は進んでいくきます。
ただし、話はその恋愛や人間模様にとどまらず、東京に向けてミサイルが発射されたり巨大隕石が地球に向かってきたりとぶっ飛んだ非日常的エピソードも同時進行。このハチャメチャな展開に目が離せません。

ちょっと仕事に疲れたサラリーマンやOLにオススメ!癒し効果アリ

本作は一見何でもアリの大味な漫画に見られがちかもしれません。
読み進めていくと、仏教用語が随所に使われていたりと人の世の「救い」を感じさせる奥深さも配されています。主人公のふたりだけではなく、ちょっとした脇役のキャラクターにも焦点を当てることも。こうして物語全体に厚みを加えつつストーリーが進めつつ、各話のオチがホッコリ心温まる回も多く挿入しているのも作品の特徴。読んでいて時には考えさせられ、時にはキュンとさせられます。

少年誌ではあるけれどジャンルはラブコメ。全体的に淡いタッチながらも背景など緻密に描かれており、実線がくっきりとしたキャラクターデザインは男女共に受け入れられる画風ではないでしょうか。

主人公と同世代の学生の方はもちろん、社会人の方が仕事から帰宅してソファーやベッドに寝っ転がり、リラックスしながら楽しめる作品です。