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皆様は「ダンジョン飯」と聞いて、どんなジャンルの漫画を想像しますか? タイトルだけだと分かりにくい、でもイラストが付けばこんな話なのかなといくつか想像出来ますよね? しかし九井諒子先生初の長期連載作品「ダンジョン飯」は、想像の斜め上をいきます。 それでいて魔法やモンスターといったファンタジーの王道をいく作品なのです。 普通の漫画に飽きてきた方や、読んだ事の無いジャンルに出会いたい方におすすめの作品です。 ではどうしてタイトルが「ダンジョン飯」なのか、なぜ各話タイトルが料理名や魔物の名前なのか、数々の疑問をこの作品の魅力と共に語っていきます。
目次
前述の通り、「ダンジョン飯」の面白さは単純には語れません。様々な要素が絡み合い、それらを上手くまとめあげたからこそ「ダンジョン飯」は面白いのです。
ではどこに注目すれば「ダンジョン飯」がより面白くなるかを、大きく3つに分けて見ていきましょう。多少のネタバレを含みますので、その点はご容赦ください。
とある時代、小さな村、全ての始まりは1人の男が残した言葉。
「魔術師を倒した者には我が国のすべてを与えよう」
今も続くダンジョンの冒険はそうして始まった。
時は流れ、多くの冒険者がダンジョン攻略を目指すことが当たり前の時代。深層の強敵レッドドラゴンと対峙するライオス一行は戦いの末、壊滅状態に陥る。妹ファリンの機転により辛くも脱出に成功するが、ファリンはレッドドラゴンに食べられてしまう。地上で目覚めたライオスはすぐにファリン救出に向かおうとするが・・・。
仲間の脱退、軍資金不足、レッドドラゴン討伐、あらゆる困難がライオスを襲う。ファリン救出を諦められない彼は、とある策を実行する。迷宮内で自給自足、魔物を食べながらダンジョンを突き進むという秘策を。
妹を救う為の冒険、「ダンジョン飯」の幕が開く。
「ダンジョン飯」の世界はDQやFFのような魔法や魔物が当たり前にいる世界です。その中でまず既存の作品と違うなと思わせてくれるのが、ライオスとそのパーティーメンバーです。
それぞれ個性も強いのですが、何より人間関係やキャラクターの内面がリアル。正義感や仲間意識だけではやっていけない無情さもしっかり理解させてくれます。
どのようなキャラクターがいるのか、メインとなる4人を中心に見ていきましょう。
「ダンジョン飯」に唯一乗り気なパーティーリーダーです。彼は昔から魔物を食べることに興味があり、この冒険を絶好の機会だと思っています。その知識は並みの冒険者では歯が立たず、実力も相応のものを備えています。
欠点は自分の欲に忠実なところと、空気を読めないところと、人を見る目がなくあまり他人に関心がないところ…、と挙げだしたらキリがありません。それでも仲間がついてくるのは、冒険者としての実力と妹を想う気持ちが本物だから。
読んでいるうちに段々と応援したくなる、不思議な人物です。
エルフの魔法使いでファリンの友達です。彼女は攻撃魔法だけでなくサポート系の魔法も使える優秀な魔法使いで、見目麗しい人物。なのにリアクションと顔芸を担当させられる不憫な人です。
魔物を食べることに一番抵抗を示していたのですが、物語が進むにつれ抵抗感が薄れていき一部を除き普通に食べられるように。食べた時に一番美味しそうな表情をするのも彼女です。
彼女もまたファリンを救いたいという強い想いを持っていて、好感が持てます。
ハーフフットという種族で見た目は人間の子供くらいのサイズですが、精神的にパーティーの中で一番大人です。普段は冷静なのですが、責任感の強さから激高することもあります。罠解除の名人で、彼のおかげで安全にダンジョンを進むことが出来ます。
ファリンを助けたいと思いつつも、何より仲間を死なせたくないと考える熱い男。
他にも、その風貌や性格からは予想出来ない一面が見られる面白い人物です。
ファリン救出の際に加わった新たな仲間で、魔物料理に詳しいドワーフです。ライオスと気が合う変わり者で、単独で10年もの間、迷宮内を生き抜いた猛者。彼の実力は、冒険者としても料理研究家としても上位に位置します。
魔物の調理にてこずっていたライオスを見かねて仲間になったので、ファリンを助けることに強い思い入れはありません。
それでも持てる知識と経験、人脈を駆使して共に冒険を続けてくれる頼れる仲間です。
他にも冒険の中で様々な人物と出会いますので、本編を楽しみにしてくださいね。そして彼ら4人と同じくらい重要なのが“ダンジョンと魔物”です。魔物は別の作品でも見たこと・聞いたことがある有名な種族が多数登場します。
スライムってどうやって食べたらいいのか、真剣に考えたことありますか?
他にもミミックやバジリスクといった有名な魔物、ハーピーや人魚といった人に近い魔物と、食べられるのかと疑問に思う数多くの魔物たち。人語を理解する種族もいて、食材として見ていいのか、かなり怪しいです。
何よりこの魔物たちにはしっかりと設定があり、生態系もきっちり紹介されますので魔物食について本気で考えさせられます。ダンジョンもその生態系を支える構造となっていて、いつどのようにしてダンジョンや魔物が生まれたのか興味深いです。
この謎を紐解くのも、この作品の魅力の1つですね。
「ダンジョン飯」が他の作品と大きく違うのは、魔物を食べることです。しかもその過程がとにかくリアルで、グルメ漫画以上に調理過程やレシピ、実食シーンが丁寧に描写されています。
あえて言うなら料理研究漫画と言った方が正しいでしょう。そのリアリティを生み出しているのが詳細な設定です。
最初はセンシもおらず、トライアンドエラーで魔物を食べますが当然のようにまずい。実際の料理でも、正しい手順・分量で調理をしないと食べられたものではありません。
その描写が丁寧になされており、圧倒的な説得力を持ちます。
第1話には“水炊き”というタイトルが付けられています。実際に水炊きを食べるのですが、正式名称は“大サソリと歩き茸の水炊き”。レシピと摂取できる栄養素、完成したイラストが一緒に載っています。
実際に載っていたレシピがこちら。
‣大サソリ・・・1匹
‣歩き茸・・・1匹
‣茸足・・・2本
‣藻(花苔・イシクラゲ)・・・適量
‣サカサイモ・・・中5本程度
‣干しスライム・・・お好みで
‣水・・・適量
水以外見たこともない名前が並んでいるのに、これがあると一気にリアリティが増しますね。
調理は主にセンシが行いますが、皮をむいたり、いちょう切りにしたりする過程がイラストだけでしっかり伝わってきます。
料理漫画によくある特別な調理方法はなく、ごく当たり前の家庭料理を作るかのように魔物を調理していきます。特別ではないからこそ生まれる説得力、それを余すこと無く伝える画力があってこそですね。
第1話の中でもスライムの構造の説明があります。理科の教科書に載っているような断面図と共にどのような生き物なのかを詳しく解説してくれます。そして各巻の最後に「モンスターよもやま話」と題して、モンスターの生態が細かく描写されているんです。
バジリスクは孵化の様子や内臓・骨格まで載っており、これだけでも十分楽しめる内容になっています。産まれたてのバジリスクがとにかく可愛いのでこれだけでも一見の価値ありです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
「ダンジョン飯」の魅力は、まだまだ伝えきれない程あります。戦闘描写も見応えがありますし、魔法の設定も面白い。ストーリーも進むにつれ重厚かつ複雑になっていきます。それでいてギャグや掛け合いも面白く、テンポ良く話が進むので飽きることもありません。
ファリンを救えるのか、センシとは何者か、脱退した仲間の行方は、などなど見どころも多いです。魔物を食べるという特異な部分も、基本がしっかりしていてこそ。冒険パートもかなり面白いので魔物料理同様、期待して読んでください。
「ダンジョン飯」は現在も雑誌「ハルタ」で好評連載中です。ライオスと一緒に未知なる冒険の旅に出かけましょう!