コイツと一緒にいたら、ろくなことない!!『来世は他人がいい』

コイツと一緒にいたら、ろくなことない!!『来世は他人がいい』

「全国書店員が選んだおすすめコミック2019」ランクイン!極道エンタメ漫画

コイツと一緒にいたら、ろくなことない!!『来世は他人がいい』

「月刊アフタヌーン」にて現在連載中の小西明日翔先生による、関西ヤクザの高校生の孫娘の主人公が、関東ヤクザの同い年の孫息子との縁談話が持ち上がり、あれよあれよという間にいつしかとんとん拍子で話が進み、関東ヤクザの家に住み込むこととなる、極道エンターテインメント漫画「来世は他人がいい」。バイオレンスやらスリルやら、はたまたラブコメ要素があったりと、単なる「極道もの」に留まらない掴みどころがない本作を、ガッチリ掴んで離さない記事をお届けしていきましょう。

 

来世は他人がいい・あらすじ

「関東・関西の巨頭ついに和睦か!?」

大阪のヤクザの孫娘の主人公・染井吉乃(そめい よしの)は、祖父である関西最大の指定暴力団四代目桐ケ谷組直径染井組組長・染井蓮二(そめい れんじ)に進められ、東京のヤクザの孫息子・深山霧島(みやま きりしま)と婚約することに。

突然の話に動揺する吉乃であったが、蓮二の口車に乗せられる形で、東京に居を構える関東最大の指定暴力団五代目砥草(とぐさ)会直系深山一家総長・深山萼(みやま がく)の邸宅へ住み込むこととなった。

ところが肝心の婚約相手の霧島が、当初こそ吉乃の前で好青年を装っていたが、吉乃が街中で三人の男たちにナンパされ絡まれたことをきっかけに暴力性を露わにし、その三人を完膚なきまでにボコボコにする。さらに破滅願望などの異常なサイコパスぶりを笑顔で語りだし、「自分にとって吉乃は価値がなく、金にならない女には興味がないから、もう大阪に帰っていい」と言い放つ。

その後、一連の出来事も含め慣れない東京でホームシックになった吉乃は、祖父の染井蓮二との電話で「1年かけて霧島を自分に死ぬほど惚れさせ、その上で容赦なく捨てて帰ってこい」と言われ、吉乃は覚悟を決める。

「そこまで言うんやったら、期待通りやったろやないか…」

ヤクザの孫という特殊な環境で育ったため、その辺の女子高生とは違って肝が据わっていた吉乃は、アンダーグラウンドなツテをつかって自分の肝臓を片方売り、その金の400万を霧島に差し出す。しかし、それに対する霧島の反応は意外なものだった。

極道の政略結婚?

吉乃と霧島の縁談話は、もともと染井蓮二組長と深山萼総長の“兄弟盃”に端を発したと、本作の冒頭で週刊誌が報じています。その週刊誌によると、双方の組織は60年に及び対立していたとされており、両者の孫同士である吉乃と霧島の結婚をもってして和睦という形で収まるとのことですが、そもそも染井蓮二と深山萼は若い頃によくつるんでおり、両者は旧知の中です。作中で両者が対面する場面でも親しげな様子が描かれています。

双方の組織自体は対立していたのに、それぞれの幹部である染井組長と深山総長は親しい間柄ゆえの、今回の縁談話だったのでしょうか?

それにしては、染井組長は吉乃に1年で帰ってこいと言っていて、向こうに嫁がせるつもりはないようですし、霧島の話によると深山総長も2人の結婚は考えていないだろうと言っていますので、この縁談話の謎が今後のストーリーのキーとなってくるのは間違いありません。

マゾヒスト・破滅願望・女たらし・嘘くさい笑顔

本作の登場キャラクターで最も異彩を放っているのが深山霧島です。一見するとイケメンの好青年ですが、事あるごとに容赦ない暴力性を垣間見せます。

しかし、臓器売買の件から吉乃に対してはゾッコンでGPS機能を忍ばせ付きまとい、吉乃が霧島を邪険に扱ったり怒鳴り散らしたりしても、常に笑顔でヘラヘラしていて、今日楽しかったら明日自分が破滅しようがどうでもいいと思っており、何を考えているのか全く分からない、かなりエキセントリックなキャラクターとして描かれています。

とにかく霧島の奇行に振り回される吉乃

吉乃は現在、深山一家総長・深山萼の邸宅に居候している形ですが、同じ邸宅内の霧島とは一つ屋根の下で共同生活をしているという感じではなく、邸宅の敷地内に母屋と別に離れが設けられていて、その離れでほぼ一人暮らしの状態で生活しています。

しかし、カギがかかっているその離れに霧島は夜な夜な易々と侵入し、吉乃の寝込みを襲うかと思いきや、何故か寝ている吉乃の髪を三つ編みにしだします。たまらず飛び起きて吉乃が霧島に真意を問うと、「普段怒っている吉乃の顔しか見ていなかったから、寝顔をゆっくり見たかった」とのこと。それに対して吉乃は呆れ返りますが、一応2人の距離は縮まっているようです(寝ている女性の髪を三つ編みにするという霧島の癖?の謎は結局回収されず)。

祖父・染井蓮二の思惑とは?

孫娘の吉乃を東京に送り込んだ張本人の染井蓮二は、関西人特有のノリをもった自由人気質のキャラクターです。吉乃との掛け合いでは漫才でも見ているかのように、コミカルに描かれています。

しかし、彼は吉乃を使って一体何をしようと考えているのでしょうか?吉乃を火種にして西と東の抗争?はたまた吉乃を足掛かりにしての東京進出?

また霧島の祖父の深山萼とは裏でつながっている?旧知の仲の2人がお互いの孫同士を使って両組織内でクーデター的なことを画策?など、まだまだ多くの謎が明らかになっていない本作の今後の展開に大注目です。