モデルとデザイナーが高みを目指す物語『ランウェイで笑って』

モデルとデザイナーが高みを目指す物語『ランウェイで笑って』

目指すはパリコレ!

モデルとデザイナーが高みを目指す物語『ランウェイで笑って』

「週刊少年マガジン」にて現在連載中で、本作がデビュー作となる猪ノ谷言葉先生による「ランウェイで笑って」。低身長ながらもトップモデルを目指す少女と、ファッションデザイナーを志す少年の奮闘を描いたファッション漫画です。モデルの視点と、モデルが着る服を作るデザイナーの2つの視点から、ファッション業界の表と裏を描いた本作のリバーシブルな魅力の流行を先取りし、着こなすならぬ、読みこなしていきましょう!

 

ランウェイで笑って・あらすじ

モデル事務所兼アパレル・化粧品ブランド「ミルネージュ」の社長を父に持つ本作のヒロイン・藤戸千雪(ふじと ちゆき)は、「ミルネージュのファッションモデルとしてパリ・コレクションに出演する」という夢を抱いていた。

小学校4年生にして158cmの身長でモデルとしての将来を嘱望されていたが、それから1cmも伸びることなく、高校3年生を迎えた現在、小柄であることがネックになってミルネージュのオーディションに合格できずにいる。

ある日、千雪は高校のクラスメイトで本作の主人公・都村育人(つむら いくと)がファッションデザイナー志望であることを知り、彼に自分に似合う服の制作を依頼。

出来上がった服を身にまとってミルネージュのオーディションに臨み、見事合格を勝ち取るのだった。

さらに、千雪が育人が作った服を着てオーディションに向かう際、ファッション誌の街角素人企画の取材を受け、撮影された写真の服がパリコレモデル・タレントのセイラの目に留まり、SNSでアップされるとすぐさま拡散され大評判に。

その評価を受け、育人は千雪の父親のツテで柳田一(やなぎだ はじめ)という新進気鋭のファッションデザイナーの下で働くことに。

こうして、千雪と育人。ふたりのファッション業界への第一歩を踏み出したのであった。

微笑ましい兄妹愛

主人公・育人は母子家庭の長男で、下に3人の妹がいます。そんな4人の子供を女手一つで育てていた育人の母は、今までの無理がたたり働きすぎで倒れてしまい、現在入院中。

そのため都村家の家計は厳しく、育人は学業に加えて末っ子の妹の送り迎え・バイト・家事に追われる日々。

妹たちの今後の学費の事などを考え、自分の進学にはお金がかかるからと、進路希望であるファッションデザイナーの夢を諦めて就職しようとします。

しかし、妹たちは育人にファッションデザイナーになることを諦めてほしくなく、なんとか服飾系の専門学校なり大学なりに進学してほしいと思っています。

そんな時に育人が千雪へ作った服が偶然にも脚光を浴び、プロのファッションデザイナーの下で働けることとなり、勉強兼収入が得られるように。育人の進路&家計問題はまだハッキリとはしていないものの、一応の解決の兆しを見せています。

身長という名の才能

モデル業界で必須とされる身長。前述のように育人の憂いが落ち着いた反面、千雪のネックは“身長”というどうすることもできないもの。1%の可能性を見出されミルネージュのオーディションに合格こそしましたが、千雪の前途は多難を極めます。

ファッション雑誌のモデル募集要項は、どれも低くて身長160cmからで、158cmの千雪は応募資格を満たしていません。

それでも雑誌モデルのオーディションに片っ端から応募してみますが、当然ながら書類審査で全て落選。最終手段として雑誌社に直接電話でアポを試みますが、身長を答えた途端に電話を切られてしまいます。

めげずに最後の雑誌社に電話してみると、なんとか会ってもらえることになり、低身長ゆえに邪険にされるのも覚悟の上でその雑誌の担当者に自分を売り込み、急遽欠員が出た撮影に参加できることとなりました。

意気揚々と現場入りした千雪でしたが、撮影内容はメインのモデルの引き立て役数人のうちの1人で顔が映らないという顛末。さらに、いざ撮影となったら1人背が低いためやっぱりバランスが悪いと捌けさせられてしまいます。

この屈辱に、さすがの負けん気の強い千雪も、ずっとこらえていた涙が溢れてきてしまうのでした。

「このハゲー!」「火ー付けてこい!」的な

ファッションブランド“HAZIME YANAGIDA”を展開する柳田一のアトリエで働くことになった育人。

この柳田一という男、ファッションデザイナーとしては一流でも、顧客以外に対して超ドSで暴言を吐きまくる今のご時世、音声を録音されて世に出たら完全アウトなレベルの鬼上司でした。

しかし、主人公はそんな柳田に一歩も引くことなく、根性とファッションデザインへの情熱で食らいついていきます。その様子を見て、柳田も徐々にその仕事ぶりを認め始めるいくのでした。

ふたりの夢の実現やいかに

千雪の夢は「ミルネージュのファッションモデルとしてパリ・コレクションに出演する」こと。そして、柳田に感化された育人の夢は「着た人が笑顔になれる服を作れるデザイナーになる」こと。

困難な状況に立たされるも、懸命にお互いの夢を実現させようと奮闘するふたりを、おもわず応援したくなる読んでいて胸が熱くなる作品です。