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百鬼夜行抄は、一話完結のストーリーですが、主人公の飯嶋律と律を取り巻く人達が、様々な事件を通して少しずつ生き方が変わっていく姿が味わい深い作品です。 そのメインとなるのが、日本古来からの様々な言い伝えに出てくる不思議な生き物、あやかしや妖魔が起こす怪奇現象。 律は普通に生活する高校生ですが、人には見えないものが見えるところから、色々な不思議な事件に巻き込まれます。 時にはホラーのように、またある時は切ないファンタジーのように描いた大人のおとぎ話と言えます。 人間味あふれるキャラクターが多く、ホラー調でもありながらも、親近感を持て、時間軸が所々違う伏線が入っていることで、推理もののような面白さもあります。 思わず読んだ後にまた読み返したくなることも。 この作品の魅力は、主人公の飯嶋律や彼の周りの人々が遭遇するあやかしや物の怪の様な神話の中の生き物達とその背景にあるストーリーです。 その魅力をご紹介していきましょう。
目次
登場するあやかしは、ある時は人の怨念から生まれたり、過去の因縁があったり、と人を襲って来る怖い存在もいるので、シリアスな場面もあります。
そんな話の中で、妙に人間くさい、少し間の抜けたタイプもいて、全体のシリアス感が軽くなっています。
律を守る用心棒の役割をしている青嵐とゆう使い魔の龍
律の父の体を依り代としてるが、他の人に化けるのはすこぶるヘタ。
大食いで意外と気まぐれだったり無責任なところもある。
律の式神は桜の木を守る桜雀の尾白、尾黒
見た目はかわいいすずめで癒されることもあるが、あっけらかんと言いたいことを言い、自由奔放。
日本酒と宴会好き。
桜の木を守る精霊のような存在なはずなのに、たまに普通の猫に食べられたりする。
箱庭に閉じ込められていた三郎さん
長い間、閉じ込められていの割に根っから明るくポジティブ。
さらに、全体の雰囲気を和らげているのが、主人公の律や、律を取り巻く飯嶋家の人々です。
飯嶋家は、あやかしを操るほど力の強かった飯嶋蝸牛という、律の祖父の代から不思議な力が受け継がれています。
そのため、親戚にも律のような、普通の人が持っていない力を持っているいとこや叔父も登場しますが、それぞれがどこかほっとするような、二面性を持ったキャラクターです。
ここでキャラクターごとの力の抜け具合をご紹介していきましょう。
= 律(主人公)=
特殊な力を持っているために友達は少ない(いないに近い)けれど、本人はあまり気にしていない。
しっかりしているようで、たまに抜けるところがある。
= 律の父 =
既に亡くなっているのにも関わらず、龍の青嵐が中に入っているため、人とは違う価値観で動く。
= 律の母 =
あやかしの気配に気がついているのか気づいてないのか分からない大らかさや動じなさをもっている。
= 開さん =
ずっと異界留まっていたため、社会的な感覚が若いままのオッさんになっている。
= いとこの司ちゃん =
取り憑かれていたため、初めは暗い性格だったが、律と出会って段々あっけらかんとした性格になっていく。
= いとこの晶 =
性格は繊細なのに行動は大雑把なところがあり、周りが暗くなっても明るくするようなムードメーカー。あやかしと恋に落ちる。
登場する異世界からのあやかしは、人を襲うことが本来の目的ではなかったものが多く、それぞれの長い過去を背負っているものも多く登場します。
切なかったり、考えさせられたり、心が温かくなったりする場面も。
一つ、お気に入りをご紹介しましょう。
目の見えない小さな子狐がいました。その子狐は、目が見えないこともあり、心細そうで一人で生きていけるかも心配です。
律や周りの力を借りて、成長する様はまるで人の子の話を読んでいるようで心が温まりました。
主人公の律は、連載当初は高校生でしたが、現在では民俗学を専攻する大学生になりました。
律の成長を通して、ストーリーも民俗学や、その土地、土地にある風習なども増えてきて更にリアリティを増しています。
百鬼夜行抄の「抄」は、古典のを抜き出して、読んだ人が分かりやすい様に注釈を加えたものという意味があります。
メジャーなものから独自のものまで網羅しているあやかし達の、存在する理由や特徴が、時を超えて現在に現れた様は、途中から古典を読んでいる様な気分になる魅力もあります。
また、まだ完結しておらず、キーとなる新しい登場人物も出てきた事から、これからの展開も楽しみです。
さて、今まで、名前は聞いたことはあるけれど、詳しくは知らなかったような伝承上のあやかし達。
その側面を主人公の律と一緒に覗き見した様なこの百鬼夜行抄。
あやかし、妖魔、物の怪、怨霊、日本古来の伝承されてきた異世界の生き物がそれぞれ独立した形のストーリーで続いて行きます。
色々な角度から楽しめるので、すこし毎日の生活に疲れた時などに、違う世界を覗いてみるのはいかがでしょうか。